ぷれいばっく
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『三郎……』
3つ下の弟が…三郎が…
優秀さを認めでもらって、江戸で学ぶ許可を得て会津を離れた三郎が…
兄つぁまみでぇに世の中のために学んでいきたいといっつも願ってた三郎が…
京都での戦に志願して、会津武士として、山本家の男児として立派に戦って死んだ…。
立派に……立派に…
この軍服を見れば敵に向かっていったこと、三郎が最後まで勇気を貫いた事が分がる…
分がっけっちょ……
戦う事が武士の本懐、幕府や会津藩への報恩。三郎は立派に勤めを果たした。
でも、だげっちょも…………………
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『ご武運を…』
京の都を守護する事を天子さまに誓った会津藩…
将軍家のために尽くせとの遺訓を守り通す会津藩…
その勤めを果たしてきた立場ゆえに幕府と朝廷の関係を引き離したい側から恨まれ、
敵となり、そして今や将軍様や京都守護職たる容保様を政権から追い…
もはや避けられぬ戦が始まろうとしております。
京におられる兄つぁま…兄つぁまが会津を発つ時には赤子だった峰も健やかに育ってますよ。
どうかご無事で、お勤めを果たして帰ってきてくらんしょ…
会津の皆様、ご武運を……
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第二部を前に…②『御式内』
八重「あ、あの技はまさか…」
時尾「知っているの、八重さん?」
(※イラストは参考図です)
第二部開始前の紹介企画第二弾です。
『御式内(おしきうち)』とは会津藩に伝えられた藩外不出の秘伝の柔術とされます。
明治~昭和初期に活躍した会津出身の武道家・武田惣角によって創始された『大東流』の源流として知られています。
けど、その存在は大東流以外には史料がなくて、本当に存在したかどうかもよく分からないのです。
武田惣角は元会津藩家老・西郷頼母から学んだといいます。
その頼母は惣角の祖父から学んだもので、師匠の孫で継承者たる惣角に伝えたという…
秘伝ゆえに伝わっていない部分が多いのかも知れません。
同じく会津藩の秘伝・溝口派一刀流が一子継承の秘奥義伝承形式なので御式内がそうだとしても不思議ではありません。
西郷頼母の養子・西郷四郎が得意とした幻の技『山嵐』と御式内を関連づける説もございます。
ただ、惣角の高弟・佐川幸義は頼母の写真を見てとても合気を使える人とは思えない旨を挙げています。
惣角による大東流は存在しますし武田惣角が会津で育つ中で身につけた技があることは確かです。
まさに幻の流派、という事でしょうか…
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第二部を前に…①『神夢想一刀流』
今回から第二部開始前の紹介企画として…
八重さんの世界を取り巻く「会津の武道」をご紹介してまいります。
八重さんの師匠としては砲術では兄・覚馬がいますが、
薙刀については黒河内伝五郎という大先生がいらっしゃいます。
その黒河内先生が修めていた剣術のひとつに『神夢想一刀流』があります。
(※イラストは参考図です)
『神夢想一刀流』といえば…
SNKの「サムライスピリッツ」というゲームで橘右京の流派です。
橘右京の師匠は黒河内夢路…そういう関係なんですね。
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『同じ志で結ばれた絆』
尚之助さまは「八重さんは八重さんのままでいい」とおっしゃってくださった…
私も尚之助さまと一緒に、会津のために二人で道を切り拓いていこうと決めました。
尚之助さまと私で新しい銃を作り、射撃の腕を鍛え、会津に広めていく…。
この困難な道のりを一緒に。
いつか、この志が実るその日を目指して…
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『振り子細工の心』
弾丸は標的の真ん中を貫いで…
会津は、会津藩は今、日本を取り巻く動乱の最前線で命貼って戦ってる。
尚之助さまは私に「ともに会津で生きたい」と仰ってくれたげんじょも…
尚之助さまの才は今の会津が本当に必要としてる「新時代を切り開く才能」。
新しい銃…新しい時代…これからのこと…。
私自身はなじょしっちのがな…?
尚之助さまと、どういうふうに………これから……
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『えんだん!』
尚之助さまは博識で先見の明あって大望を抱く立派な方…
「だが断る!」
子供ん時っからずーっと一緒に暮らしてきて兄妹みでぇに過ごしてきたのに、いぎなり婿さとか…
そったの…そったごと…そったごと急に言わっちも分がんねーがら!
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『時尾ちゃんへ』
「一筆申し上げます。
小さい頃から一緒に裁縫を習ってきて、やがて小さい子に教える側になって、二人で裁縫指南所をお手伝いしてきましたね。
時尾ちゃんがお城に上がって指南所もちょっと寂しくなったけど、相変わらず賑やかに健やかにやってます。
今は私がここで一番のお姉さんだからね。時尾ちゃんの分までしっかり頑張るから心配いらないよ。
だから時尾ちゃんも照姫さまへのお勤め、しっかり頑張ってね。かしこ」
時尾ちゃんみてぇにうまく教えらんねげっちょ、私は私なりに頑張ってからね……(汗)
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『永遠の友達』
いよいよ時尾ちゃんが照姫さまのお側付きとしてお城に上がります。
小っちぇえ頃からずーっと一緒に居だげっちょ、これからはなかなか会えなくなんだな…
木登りすっといつも下から見上げてた時尾ちゃん。
彼岸獅子ん時も一緒にいたし、川遊びもしたっけな…
私みでぇなお転婆もんと付き合ってたんだもの。お城さ行っても何だってやってげるよ。
時尾ちゃんは時尾ちゃんの道を行く…。私も私の道を行くべ…。
でも私たちは、いづまでもずっと友達だ…。
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『選ばれしもの』
照姫さまのおそばに仕える祐筆に時尾ちゃんが選ばれました。
ほんのちぃっとだけ「私かも…」と期待してだげっちょ、うん…
照姫さまはとても思いやりの深ぇ優しい御方だから是非ともお守りしっちがった。
でもやっぱ、おてんば者の私よっか優しくって芯のしっかりした時尾ちゃんのほうが合ってっぺな。
選ばんにかったのはむずせぇげんじょも…時尾ちゃんで良かった……良かったなし、時尾ちゃん♪
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『もう恋なんてしない』
秘めたまま終わっつまった時尾ちゃんの山川さまへの片想い。
時尾ちゃんは「一生結婚しないでお裁縫や手習いを教えて一人で生きていく」って…
んなら私も一生結婚しねぇで鉄砲さ極めて、でもって時尾ちゃんと一緒にいっぺ。
まぁ私には相手とかいねんだけっちょも…って言ったら時尾ちゃん笑ってくっちゃな。
やっぱ時尾ちゃんは笑顔が一番だ…
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『温泉~♨』
兄つぁまが京へ上られる前にみんなで東山温泉へ湯さ浸かりに行きました。
いや~、まんずいい湯だない♫
小原庄助さんが身上つぶすくれぇ入り浸っちまうのも分かる気がする…
1000年以上前に行基っつー偉いお坊さまがめっけた温泉だから効き目も抜群だはー♪
兄つぁまには手柄挙げてほしいげっちょも、それよっか無事に戻ってきて欲しなぁ…
姪っ子のみねも生まれたばっかだもの。
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『なぎなた!』
男子なら兄つぁまみたいに武芸全般やれんだげっちょも女子は薙刀やるもんだって決まってる…
私の場合は鉄砲の他にも三郎相手に剣術やっけど、でも薙刀だって負げらんにー。
いっつも「鉄砲は卑怯モンの武器」と言われてっから、他の武道で強くねーと卑怯モン呼ばわりされっちまう。
師の黒河内先生は武芸百般に通じた天下無双の武人で穴澤流薙刀術の達人だから、
会津の女の薙刀術は男相手に戦ったって負けねーです。
まぁ私は薙刀やんのも好きだけど、やっぱ鉄砲のほうが好きかなぁ…
それと黒河内先生が言うには江戸に凄ぇ才能ある子がいるらしい……いつかお手合せしっちーない♪
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『彼岸獅子♪』
会津の春を告げる彼岸獅子!
時尾ちゃんを誘って街道沿いへ見に行ったら与七郎さ…いえ大蔵さま達とも合流したのでみんなで見物♪
でも途中で獅子同士の喧嘩に子供が巻き込まれそうになって大変!
思わず頭で考えるよっか先に体が動いて子供をかばいに行っちゃいました。
すぐに大蔵さまが騒ぎを鎮めてくっちゃけど、なんだか頼もしくなったなぁ…輝いて見えたもの。
もう子供の頃に俵担ぎで私に負けてた与七郎さんじゃねーなし。
そーいや大蔵さまが来てからの時尾ちゃんの様子が少し変だったよーな…?
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『魚獲り娘』
今日はみんなで近所の湯川に魚獲り!
兄つぁまはやっぱ凄くて何匹も獲ってたし、三郎も大きいの獲ってた。
私はなかなか獲れなかったけど魚獲りは面白れーです。
兄つぁまのトコに嫁に来たうら姉さんも誘ったけど「仕事あるしおなごのやることじゃないから」って。
時尾ちゃんは「嫁さ行ったら誰でもそういうもんじゃない?」って言うけど…
嫁さ行くのって、つまんねーのかな…?
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『鉄砲娘』
私の家は会津の砲術指南役!
父っつぁまも兄つぁまも鉄砲名人だから指導も分かりやすいです。
訓練の空砲撃ちでは火薬の爆音にびっくらこくけど…;
でもこないだ、生まれて初めて弾を撃ったら真ん中に命中!
兄つぁまも尚之助さまも「八重はスジがいい」って褒めてくれました…♪
「おなごが鉄砲撃つなんて変」と言われますけど、迷わず撃つよ!撃てば分かるさ!
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『怪力娘』
木登りだけじゃなくて力でも男子には負けません!
四斗俵だって持っちゃげます!
兄つぁまから「俺が留守の間はお前が家を支えんだぞ」と言われてるので、
家を支えられるくらいまで鍛えようと思います。
「クマみてー」と言われても手を差し伸べて、握擊で許してあげます。
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『木登り娘』
私は木登りが大好き♪
高いトコに登れば他の誰も見たことねーような景色とか見られるし風が気持ちいいし最高!
時尾ちゃんも登ろうって誘ってるんだげっちょ「危ないから」っていつも下で見守ってます。
木登りなら男子と勝負しても負けません…
この八重、容赦しないです!
「サルみたい」と笑われても高いトコから狙い撃ちして許してあげます。
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このコーナーの挿絵は一休先生に描いていただいております。
一休先生ありがとうございます!